キリスト教思想・宗教

古本屋浩仁堂が五百円でも千円でも買取したい本 キリスト教 第2回

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①中世キリスト教神学関連書籍

 1980年、筆者が中学生の頃までは、民主主義、科学技術という言葉はそれの獲得のために人類が歴史を積み重ねたのであり、我々はそれらをさらに完全なものにすることが生きる意味であり、我々の努力がそういった人類の幸福の増大に寄与すると信じていました。

 そういう時代認識からすれば、西洋の中世というのは正に暗黒の時代でした。古代にその萌芽をみせた民主主義は教皇と封建領主の苛烈な支配にほとんど絶滅させられてしまいました。また、古代の自然学はキリスト教神学にとってかわられ、科学の進歩は長い停滞の時代を余儀なくされてしまいました。中世のキリスト教神学は例えば「針のうえで天使は何人踊れるか」などという議論をおこなうような迷妄に支配されていたのだというのが、当時の私たちのヨーロッパ中世理解でした。

 そのイメージが徐々に覆されていったのが、筆者の大学時代でした。それによると

①中世の神学・哲学は迷妄の学ではなく極めて合理的な学である。

 私たち日本人の感覚では、信仰のうえで語られることは迷信や非合理なことがひしめいているととらえがちです。しかし、アウグスティヌスは新プラトン主義をトマス・アクィナスはアリストテレスの哲学を援用してその体系を構築していきます。彼らの著書の役割は、異教徒の批判に対してキリスト教の「真実性」を主張することがにありました。それは、一般の人間が何か神秘的な体験がなくても十分に納得できるような説得的で論証的なものでなくてはなりません。その論じ方は迷信などというものとは程遠く、神学それ自体は極めて合理的な学門だったのです。しかし、前提がキリスト教であることと、実験など現代の自然科学の方法ではなくあくまでも、理性のみを用いて学を進めていくことにおいて現代の学問とは大きく異なるのです。

②中世神学こそが近代自然科学の誕生を促した。

 トマス・アクィナスは人間理性の働きは神的・霊的な事柄を把握するには不十分であるとして、最終的には哲学と神学の独自性を主張します。アリストテレス哲学を援用して神学の体系を作り上げたのにもかかわらず、その道具では神学の用に足りないという評価をアリストテレス哲学にくだすのです。しかし、哲学の独自の働きの場所、自然学(当時の自然学は哲学の一部です)の対象としての経験の場があたえられ、自然学の探求が、神の恩寵を理解する助けとなるとして、自然学の研究の奨励をトマスは主張します。

 さらに、ドゥンス・スコウトス、ウイリアム・オッカムなどの時代を下った神学者の時代になると、トマスの神学と哲学の折衷主義からさらに進めて、両者を完全に独立なものとして切り離し、理性・哲学の適応範囲を経験の場・世俗世界に限定しました。これにより、近代的な自然研究の下地が作られたといえるでしょう。

③近代自然科学者は神の恩寵を理解しようとして自然を研究した。

 近代自然科学者は理性と実験という新しい武器を手に真理を発見して、敢然と中世の神学的世界観に立ち向かったというのが、冒頭に述べた私の子供のころの一般的な歴史認識でした。しかし、実情は近代自然科学者は中世の神学者と目的を同じくしていたのでした。近代自然科学者として代表的なケプラー、コペルニクス、ニュートンもいずれもキリスト教信仰を生涯保持し、「神の栄光を称えるために」自然を研究したのでした。彼らはいずれも錬金術師であり、それは、彼らにとってはれっきとした学問であったのです。自然が数学的法則のもとに運動しているとすれば、それこそが、神がいかに偉大であったかを示すものであり、神の創造の叡智を垣間見ることになると考えて、自然研究を進めたのでした。

④まとめ

 以上のことをまとめると、自然科学という著しい学問の発達、なぜそれが、ほかの地域で発生せず、ヨーロッパ西部で起こったかといえば、それはひとえにキリスト教信仰・神学がそれを可能にしたのだということがいえそうです。

 

中世キリスト教神学・スコラ哲学で浩仁堂が高価買取できる書籍リスト

アウグスティヌス著作集 全32巻 教文館 2000年代

キリスト教古典叢書 教文館

中世思想原典集成 平凡社

哲学の歴史〈第3巻〉神との対話―中世 信仰と知の調和 中川純男 中央公論社 2008

天使はなぜ堕落するのか―中世哲学の興亡 八木雄二 春秋社 2009

東方教会の精髄 人間の神化論攷 グレゴリオ パラマス 知泉書館 2018

知泉学術叢書 知泉書館

 

 

 

 

 

 
 

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